成年後見制支援:自治体8割利用せず 都道府県格差大きく
◆成年後見制支援:自治体8割利用せず 都道府県格差大きく
身寄りのない高齢者や知的障害者を権利侵害から守るための「成年後見制
度利用支援事業」が、全国の自治体の2割弱でしか利用されていないことが
分かった。1町しか利用実績のない秋田県から、約8割の自治体が利用して
いる大阪府まで、都道府県による格差も大きい。成年後見は、判断能力にハ
ンディのある人の財産管理、サービス利用の際の契約などを第三者が代理す
る制度で、親族のほか市町村長も家庭裁判所に申請できる。支援事業は、市
町村長の申し立てを促すために始まったが、多くの地域でほとんど利用され
ていない実態が鮮明になった。
利用支援事業は01年度に始まり、市町村長が申し立てた場合、判断力の
鑑定(5万〜15万円程度)や後見人の報酬(在宅で月2万8000円、施
設入所者1万8000円程度)などを国と自治体が2分の1ずつ負担する。
各自治体や厚生労働省などによると、昨年4月時点で利用が最も少なかっ
たのは、県内69市町村中1町の秋田県(1.4%)で、岡山県(2.6%)
、宮城県(4.3%)と続いた。多かったのは44市町村中35市町村の大
阪府(79.5%)や神奈川県(56.8%)、東京都(53.2%)など。
少ない県は「対象者が少ない」(秋田県)、「市町村に認識が浸透してい
ない」(岡山県)などと説明。同制度の市町村活用マニュアルを作った宮城
県は「認識もまだ十分でなく、申し立ての手続きも煩雑だ」と話す。
大阪府では、府社会福祉協議会「大阪後見支援センター」で市町村の相談
を受け、専用マニュアルを作成した。交通事故で障害者となった身寄りのな
い70代男性について、大阪市が成年後見を申し立てた際、相談に乗った弁
護士は「自治体と弁護士の連携が重要。行政が支援事業を活用していない地
域でもニーズはあるはず」と指摘する。
西日本の知的障害者施設で生活する30代女性について、父親が女性の貯
金を使い込む恐れがあり母親の虐待もあるため、弁護士らが市長の成年後見
申し立てを求めた。3カ月以上経過したが、市側は消極的。「本人の権利保
護が急がれる場合、首長の申し立てを積極的に行うべきだ」との主張を受け、
最近ようやく市側が協議に応じ始めた。
<成年後見制度>
認知症や知的障害などで判断能力が不十分な人の財産管理や生活上の契約
などを後見人が代理する制度。親族や市町村長の申し立てで家庭裁判所が後
見人を選定する「法定後見」と、本人が判断能力のあるうちに契約を結んで
おく「任意後見」がある。後見人に選ばれるのは親族や弁護士、司法書士な
ど。悪徳商法などから身を守り、適切な生活支援を促すため00年度、介護
保険制度と共に始まった。身寄りがいなかったり親族の虐待などを想定した
市町村長の申し立てはニーズが少なくないとみられ、国は01年度に同制度
利用支援事業を設けた。
TITLE:MSN-Mainichi INTERACTIVE 話題
DATE:2005/04/03 23:26
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20050403k0000m040122000c.html
+---+----+----+----+----+----+----+----+----+---+---+---+---+---+---+