高齢者への悪質訪販が急増 相談件数、3年で倍増
◆高齢者への悪質訪販が急増 相談件数、3年で倍増
埼玉県内の認知症(痴呆(ちほう)症)の姉妹宅で複数の業者が不必要な
工事を繰り返していた問題が明らかになったが、お年寄りを狙ったトラブル
は各地で急増している。訪問販売をめぐり、全国の消費生活相談窓口に寄せ
られた70歳以上からの相談は3年で倍増。「工事をしないと危険」と不安
をあおり、高額な住宅修理をさせるなどの手口だ。一度契約した人に次々と
契約を強いたりするなど、悪質化が目立つという。
国民生活センターによると、訪問販売について全国の公的な相談窓口に寄
せられた70歳以上からの相談は、00年度は約2万4000件だったが、
03年度は約4万8000件。全世代の相談総数も1.4倍に増えているが、
高齢者の増加が際だつ。
70歳以上の相談総数の約1割を占める東京都によると、預貯金がゼロに
なるまで売りつけるなど悪質な手口が目立つようになった。契約した高齢者
の情報を業者同士がやりとりし、集中的に狙ったりしている可能性もあると
いう。
東京都内の一人暮らしの母(81)がトラブルに巻き込まれたという大阪
府の会社員男性(52)は「判断力が衰えた老人の弱さにつけ込む汚い商売
だ」と憤る。昨年9月、母親から「100万円貸して」と電話があり、不審
に思って尋ねると、4〜9月に住宅リフォーム業者3社が次々と屋根補修な
どの工事をしていたことがわかった。総額約1300万円。貯金はほぼゼロ
になり、ローン契約もしていた。
2年前に新しくしたばかりの塀への防水工事、屋根裏には数十センチおき
に補強金具……。工事は数十項目に及んだ。
「放っておくと雨漏りする」などと言われ、不安に駆られて契約したよう
だった。男性は都消費生活総合センターに相談して業者側と話し合い、約4
50万円は返金やローン契約解除にこぎ着けたが、約850万円は戻らない。
母はこの後、認知症と診断され、今年1月に病死した。男性は「今も被害
者がいると思うと、業者を許せない」と言う。
東京都の区部で1人で暮らす無職の女性(70)は昨年12月、布団販売
業者2社に、立て続けに布団類を計約150万円で買わされた。1枚50万
円の敷布団もあった。
業者は「こんな布団では病気になる」などと言って布団を勝手に交換した。
「契約しないとただじゃすまねえぞ」と怒鳴る男もいた。女性は「年金暮ら
しだから買えない」と拒んだが、複数の男に囲まれ、震えながら契約させら
れたという。
東京都は悪質業者には特定商取引法に基づく改善指示などの行政処分をし
ている。社名も公表されるため信販会社が取引を控えるなどして営業が難し
くなるが、社名を変えたり他県に移ったりして営業する業者もあるという。
このため、2月に埼玉、千葉、神奈川県と初めて業者の同時処分を行うなど
取り締まりを強化している。
TITLE:asahi.com: 高齢者への悪質訪販が急増 相談件数、3年で倍増 - 社会
DATE:2005/05/08 07:11
URL:http://www.asahi.com/national/update/0507/TKY200505070256.html
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